著作権法

基礎編

著作物とは

・「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」(2Ⅰ①)。
・要件は①創作性と、②表現性
 ①創作性
  ・作者の何らかの個性が表現されたものであれば足りる
  ・版画を忠実に撮影した写真に創作性はない(東京地裁H10.11.30)
  ・城の定義は、表現形式に選択の余地がないか限られているので創作性がない(東京地裁H6.4.25)
  ・表現が平凡でありふれたものも創作性否定 ex雑誌休刊の挨拶文(東京地裁H7.12.18)
 ②表現性
  ・学問上の定義や数学的命題の解明過程そのものが著作権法によって独占されるのは適切ではない(大阪高裁H6.2.25)

二次的著作物とは

・二次的著作物とは、著作物を翻訳、編曲、変形、脚色、映画化、その他翻案することで創作した著作物(2Ⅰ⑪)。
・要件:①思想または感情の表現であること、②他の著作物を翻案等したものであること、③表現に新たな創作性が付与されていること
 ・要件を満たさないものは既存の著作物の複製物にすぎない。
・二次的著作物において新たに付与された創作的部分にのみ生じ、原著作物と共通しその実質を同じくする部分には生じない(最判H9.7.17)
・他方、原著作者は、二次的著作物について、二次的著作物の著作者が有するのと同一の権利を有する(28)。
 ・二次的著作者が創出した部分についても権利を有する(最判H13.10.25)。

著作者

・著作者とは、著作物を創作する者(2Ⅰ②)
・創作と同時に著作者は、(手続きなしに)著作権と著作者人格権が帰属する(17ⅠⅡ)。
・自己が著作物の著作権を有することの立証責任は原告
 ・但し、著作物の原作品か、提供提示に際し、氏名等が著作者名として表示されていた場合、著作者と推定(14)

・共同著作物
 ・2人以上の者が「共同して」「創作した」著作物であって、各人の寄与を「分離して個別に利用することができない」もの
 ・要件
  ①複数の者の創作的関与
   ・芸能人インタビュー記事の著作権の帰属は、インタビューアー or 芸能人 or その他かcase by case   
  ②共同性
   ・共同創作の意思が必要。
  ③分離不可能性
   ・小説と挿絵は分離可能。座談会はcase by case
 ・保護期間:最後に死亡した著作者の死後70年を経過するまで(51Ⅱ)
 ・著作者人格権:著作者全員の合意がなければ行使できない(64Ⅰ)
  cf 人格権侵害に対しては、各自単独で差止請求可能(117Ⅰ)
 ・他の共有者の同意がないと持分譲渡等できず(65Ⅰ)権利行使できない(同Ⅱ)。

・職務著作
 ・法人等の「業務に従事する者」が職務上作成する著作物で、「法人等が自己の名義」で「公表するもの」の著作者は(契約、規則等ない限り)法人等(15Ⅰ)。
  ・プログラム著作物は、法人名義公表がなくても、法人等(同Ⅱ)。
  ・要件
   ・業務従事者:雇用関係があれば肯定。その他はよくわからない。
   ・法人名が単に著作物に記載されているだけでは足りず、著作者名として表示されている必要がある。
   ・これから公表するもの(公表していないもの)もok

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